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ライオンが消えた

札幌にも遅い春がやってきました。
4月に入ってから雪も雨も降らずカラカラ天気が続き
家の回りの雪もほとんど消えました。クロッカスが咲いています。

1週間ほど前からショパンの散歩コースを雪が降る前のコースに戻しました。
そのコースは階段を降りるので、帰りは坂道になるため足腰が鍛えられます。

コースの途中にちょっと変わった家があり
そこのお家の庭に私が密かにライオンと呼んでいる犬がいて犬小屋が二つありました。
何度みても犬は一匹なのに犬小屋は二つあります。
犬小屋の前には「近寄ると噛むので近寄らないでね」と書かれた立て看板があります。

そこの家がなぜ変わっているかといえば、まず家全体が真っ黒なんです。
つまりはかなり洒落た家で、芸術家の家のようですが、それはどうなのかわかりません。
でも玄関前には狸の置き物があり、どう考えてもその洒落た家には似つかわしくないと思うのです。

そして昨年は毎朝通っても一度も住人を見かけたことがありませんでした。
ところが先日ついにその黒い家の住人らしき家族に会いました。
40代のご夫婦と中学生らしき息子さんが車に乗って出かけるところで
ごくごく普通の方達にみえました。

なのに、なのに、この春は肝心のライオンの姿がみえません。
二つの犬小屋も立て看板もそのままなのにライオンがいないのです。


ライオン
初めて君を見たとき君は後ろを向いていた
犬じゃない、ライオンだ そう思った
毛色も大きさも君はライオン並みだった

近寄ると噛むって看板にあったら
中々近寄れなかったんだけど
ある日、君は前を向いてのっそのっそと歩いてきた
もちろん鎖につながれていたんだけれどね

あー君はなんて悲しい顔をしていたんだろう
その時、もはや君は老犬なんだとわかった

ショパンがいくら近寄っても一度も君は吠えなかったし
君がショパンを威嚇する姿もみることはなかった

君は悲しい老いぼれ犬
でも姿はライオンだった

そしてこの冬にライオンは忽然と姿を消したのだ

by yyuh4 | 2009-04-13 01:03 | わんこ